インドの世界遺産を一気に12ヶ所巡ることも可能!
遺跡が好きな人にもインドはお奨め。規模が大きく見ごたえのある遺跡が多く、他の見どころと合わせて周遊することも可能だ。数あるインドの遺跡の中で特に外すことができない有名かつお奨めの遺跡は、カジュラホのヒンズー教寺院群、アジャンタとエローラの石窟寺院群。カジュラホは寺院の外壁を埋め尽くすミトゥナ像(男女交合のエロティックな彫刻)で有名。
ひとりひとりの表情まで実に細かく表現されている見事な芸術で、いやらしさはなくむしろ見ていて圧倒されるほど。アジャンタとエローラの石窟寺院は、インド西部にある大規模遺跡。渓谷の断崖にずらりと並んで掘られたアジャンタの石窟寺院は、内部の壁画の美しさで有名。エローラは仏教石窟とヒンズー教石窟の両方が見られ、中でも山のように巨大なカイラーサナータ寺院は奇跡の彫刻ともいわれるほどすばらしい。カジュラホ・アジャンタ・エローラの遺跡を3つともまわるなら、デリーからアグラを通ってカジュラホ遺跡、そこからアジャンタとエローラを観光してムンバイ(ボンベイ)へ抜けるコースが最適のスタンダードコース。あとは、ベナレス・アグラ・カジュラホをまわるコースや、ムンバイ(ボンベイ)からアジャンタ・エローラへ行くなど、さまざまなパターンの旅行を自分の好みと日数で組み合わせてみよう。インドの代表的な遺跡と世界遺産を極めたい方には、何と、全部で12ヶ所の世界遺産を巡るコースもある。
【カジュラホ遺跡(カジュラホ)】官能的な男女交合像で有名
カジュラホ遺跡
カジュラホはエロティックな官能美あふれる彫刻で有名な世界遺産の寺院群。9~13世紀にチャンデラ王朝の首都として栄え、最盛期には85の寺院があったが、現存しているのは22の寺院。のどかな田園風景の中に立ち並ぶ寺院の外壁は、ミトゥナ像(男女交合像)で埋め尽くされている。なまめかしく官能的な男女の姿態に圧倒されてしまうが、大胆で直接的な性の描写は芸術的完成度が高いからか、いやらしさはなく神秘的だ。ここまでオープンに性を表現し追求できるヒンズー教に思わず感心してしまうほどだ。カジュラホ寺院の規模は大きく、それぞれに特徴があり興味深い彫刻も多くあるので、個人でのんびり見てまわるのもいいが、説明してくれるガイドがいれば、より理解が深まりおもしろい。
【アジャンタ・エローラの石窟寺院(オーランガバード)】
とにかくその規模に圧倒される

そのスケールに度肝を抜かれる(エローラ石窟寺院)

厳かな雰囲気も漂う(アジャンタ石窟寺院)
共に世界遺産のアジャンタ・エローラの石窟寺院の観光拠点となるのはオーランガバードという町。デカン高原にあるため乾燥していて夏はとりわけ暑い。石窟群は観光するのがつらくなるほど暑くなるので、ミネラルウォーターを忘れずに用意しよう。もちろん、現地の売店でも購入できる。そして、疲れたと思う前に日陰で休憩しながら見てまわろう。
アジャンタ石窟は、渓谷の断崖中腹に刻まれた仏教寺院群。紀元前1世紀頃に掘られた石窟と、5世紀頃に掘られた石窟に分けられ、後期のものは内部の壁画や彫刻がすばらしい。
エローラ石窟は34の寺院からなっていて、第1~12窟は仏教石窟、第13~29窟はヒンズー教石窟、第30~34窟はジャイナ教石窟。エローラ最大の見どころは、第16窟のまるで岩山のように巨大なカイラーサナータ寺院。8世紀頃に人の力で約100年かけ、巨石を繰り抜いて造った偉大で圧倒的な建造物だ。
【エレファンタ石窟寺院】のどかな雰囲気に心休まるエレファンタ島
インド門とタージマハルホテルの景観に圧倒される(ムンバイ)
世界遺産のエレファンタ石窟寺院は、ムンバイ沖のアラビア海に浮かぶ小島・エレファンタ島にある。ムンバイのインド門の裏にある船着場から小型船で1時間。まず、船から見たインド門とタージマハルホテルの景観に圧倒される。この2つはインドの対照的なシンボルとされ、かつてインドを支配したイギリスと支配されたインドの威信がぶつかり合う場となっている。インド門は、イギリス王でありインド皇帝でもあったジョージ5世のインド訪問を記念して1911年に建造され、その後、英国領インドを訪問する世界の要人を歓迎する記念式典会場となった。一方、タージマハルホテルは、インド最大の財閥・タタグループの創始者であるタタがインド民族の誇りにかけ、心血を注いでインド門より早い、1903年に完成させたホテルである。これら2つの威風堂々としたその姿は、今も尚、見るものを魅了する。それとは逆にエレファンタ島に到着すると、そののどかな雰囲気に心が休まる。エレファンタ島の船着場からエレファンタ石窟寺院への参道口までトロッコ電車に乗ってのんびり移動する。階段になっている参道の両側にはたくさんのおみやげ屋が軒を連ねている。一気に参道を上るのも少々つらいので何軒かのお店をひやかしながら行くのも楽しいだろう。

エレファンタ石窟寺院の最高傑作「三面顔のシヴァ像」(エレファンタ島)
エレファンタ石窟寺院は、ヒンズー教寺院でシヴァ神を祀った7つ寺院があり、これらの石窟は6~8世紀に造られたと推測されているが、この寺院には碑文が残されていないため、より正確な開窟された時代の特定が難しく諸説ある。ただ、残念ながら、観光するのは保存状態が良い第1窟のみ。その第1窟は、高さ6m、広さ約40m四方の空間で、それを約20本の柱が支えてる。その内部の壁に沿って数々の見事なシヴァ神像が彫られている。中でも傑作とされているのが、3つの顔を持つシヴァ像。三面顔のシヴァ像は、世界を破壊し、また再び創造して世界を維持する神であることを表している。ガイドさんが他のインドの石窟寺院と比較しながら日本語で丁寧に案内してくれるので、他の石窟寺院の観光で得た知識をさらに深いものにすることができるだろう。
エレファンタ島には多くの猿が住んでいる。時々、観光客を威嚇したり、飲み物を奪ったりするので十分注意していただきたい。
【ハンピ(南インド)】デカン高原に眠る隠れた秘境遺跡
ハンピ遺跡
遺跡好きで、とりわけ秘境にある遺跡に興味がある方の欲求を満たすに最高の石窟寺院が世界遺産のハンピ遺跡群だ。
時が止まったかのように静まり返ったデカン高原の丘からは、かつて50万人の人口を誇ったヒンドゥー王朝・ビジャヤナガル王国(1336年-1649年)の幻の都、ハンピの遺跡が一望できる。26平方キロメートルの面積に40もの寺院、宮殿がちりばめられたハンピ遺跡は、まだ多くの人の目には触れられていない世界遺産だ。言葉では表せないような美しい音を奏でる柱、シヴァ神の息子で幸運の神として今も人々から大切にされている象がいる寺院、巨大な岩の間を縫うように続く道・・・。点在する遺跡のまわりには岩だらけの乾いた大地が広がり、周囲の雰囲気と分かちがたく解け合い、その奇妙な調和がハンピの不思議な魅力を作り出している。ハンピは一体どれくらいの魅力と驚きを隠しているのだろう。それは訪れた人の数だけあるのかもしれない。

